時間に縛られずに荷物を受け取れるスマートロッカー

リテールテックプラットフォーム編集部

新型コロナの影響により、非接触や三密回避が求められています。薬を処方する薬局においても、この課題を解決する手段として「スマートロッカー」が注目されています。

顧客ニーズに対応して導入広がる

「時間に縛られず荷物を受け取りたい」「帰宅時間が遅いため、営業時間にクリーニングを出したり受け取ったりできない」。そんな顧客のニーズに対応したのがスマートロッカーだ。

ロッカーといえばこれまで自ら荷物を預け入れ、自ら取り出す自己完結型だった。これに対し、スマートロッカーはネットに接続することで顧客とサービス業者が双方向で商品をやりとりすることが可能になる。しかも、決済までできる。

宅配便が届いても不在で再配達してもらうケースはよくある。だが、自宅近くのコンビニや駅にあるこのロッカーに収納してもらえば、時間に縛られることなく荷物を受け取れる。

機能の充実で銀行や調剤薬局にも広がる

一方、宅配業者らにとっては再配達の手間が省けることで大幅なコストダウンになる。

スマートロッカーは利用範囲が広がり、機能の充実も進む。

みなと銀行は2月から三宮センター街出張所のATMコーナーに、全国の金融機関では初めてスマートフォンで開閉するコインロッカー「スペースアール」を導入した。店内の空きスペースを有効活用し、顧客の利便性向上が狙い。

導入したのはSPACERの製品。商品を「送る」「受け取る」「鍵を共有する」など、代金の支払いも含めたすべての操作をスマートフォンで完結。URL形式の鍵はメールなどで容易に受け渡しが可能。みなと銀行では設置面積や利用状況に応じた手数料収入が期待できる。

処方箋薬の受け渡しでは、神奈川や福岡で取り組みが始まっている。神奈川県内ではスペースアールが富士工業販売、クリエイトエス・ディーと連携し、クリエイトの薬局4店が2020年12月から21年2月まで実験した。処方箋提出や薬剤師による服薬指導を終え、処方薬の準備ができた段階で店舗側が利用者のスマホにロッカーの電子キーを送付。利用者はロッカーから処方薬を受け取れ、電子キーを共有する家族の受け取りも可能とした。

薬局での対面による薬の受渡しは、薬剤師と利用者が接触するリスクがあり、待ち時間が長いと店内が「三密」になりやすい。従来のロッカーでは開け閉めのログが取れず、セキュリティの担保された受け渡しができなかった。

この課題をスマートロッカー活用で克服。将来的には オンラインでの処方箋の提出、オンラインでの服薬指導にもスマートロッカーの仕組みが広がる可能性がある。

米国では温度管理ができるロッカーも

米ベル・アンド・ハウエルが開発したスマートロッカーは個別に温度管理が可能で、すでにスーパーマーケット大手・アルバートソンズ傘下のジュエル・オスコの一部店舗に導入されている。温かい食事から冷凍食品までを適温で管理。対象店舗のネットスーパーから注文をする際、店頭受け取りの中からロッカーと時間を選択し受け取れる。

コロナ禍でネット通販やネットスーパー、フードデリバリーなど宅配関連市場が拡大するなか、利用者に届ける最後の役割を担う「ラストワンマイル配送」の効率化が一段と求められている。(編集部)

リテールテックプラットフォーム編集部

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