新たな顧客体験を提供するライブコマース

リテールテックプラットフォーム編集部

ライブコマースは中国で主要小売チャネルの一つになっています。日本でもリアルな店舗や通常のEC(電子商取引)とはひと味違った〝新たな顧客体験〟の提供を目指し、有力企業が相次ぎ取り組み始めました。

生中継の動画で商品を販売

リアルタイムで映像を配信しながら商品を販促する「ライブコマース」。中国が先行するが、日本でも高速通信規格「5G」の普及などに伴って拡大すると予想されている。ファーストリテイリングなども取り組みを始めており、新たな購買体験を訴求して新規の顧客の獲得をめざしている

ファーストリテイリングは昨年末、傘下のユニクロとGUが共に日本国内で「LIVE STATION」を始めた。両社のウェブサイトやアプリから視聴する仕組み。2月には若年女性ファッション誌「non・no」で活躍するモデルがコーディネートを紹介した。一方、GUは二児の母である30代モデルを起用し、それぞれが強化したい世代向けに訴求した。

新型コロナウイルスの流行下でEC(電子両取引)の市場は大きく拡大しており、2020年9~11月の国内ユニクロ事業の売上高に占めるECの比率は14.5%と前年同期より約4ポイント上昇した。ライブコマースによりリアル店舗や通常のECとは違った顧客体験の提供する狙いだ。

三越伊勢丹もオンライン接客を強化

三越伊勢丹もオンライン接客を通じて店頭商品を販売している。2020年秋に伊勢丹新宿店で導入し、2021年2月から東京・日本橋と銀座の三越でも展開。顧客がチャットで好みや予算などを事前に伝え、販売員がその要望に合わせて複数のお勧め商品を紹介するサービスだ。気に入った商品があればそのまま購入できるほか、動画を通じて詳細な説明なども受けられる。

取扱商品は3店でそれぞれ約30万~75万品目だが、今後は店頭の商品全体に広げていく。

マイクロインフルエンサーの存在に注目

ライブコマースは中国が先行する。調査会社の艾瑞諮詢(アイリサーチ)によると、同国では2020年のライブコマースの市場規模が約14兆円と前年から2倍以上伸びた。

中国では、KOL(キー・オピニオン・リーダー)と呼ばれる超有名人やトップインフルエンサーが起点となってライブコマースが一般化。フォロワー数はあまり多くはないが、特定のコミュニティーでは影響力を持つKOC(キー・オピニオン・コンシューマー)の存在感が高まっている

日本でもMMD研究所の調査によると、ライブコマースの利用経験は12.7%、認知は43.2%になっている。ライブコマース視聴後、購入者の約5割が「ECサイト」、約4割は「実店舗」で商品を購入する。KOCに相当するフォロワー数が数千から1万程度ながらファンと密なコミュニケーションを取るマイクロインフルエンサーが注目され始め、彼ら彼女らの口コミが消費に直結。ここにライブコマースの可能性がある。

リテールテックプラットフォーム編集部

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