物流からファクスと電話をなくす

リテールテックプラットフォーム編集部

メーカーと卸の間の受発注はいまだにファクスや電話でのやりとりが残っています。入力作業に人手や時間がかかってリードタイムや物流品質にも影響を与えています。そうしたなか、大塚倉庫ではウェブ受注を進めています。

いまだに残るファクス受注から脱却

大塚ホールディングス傘下の大塚倉庫は、卸とのデータ連携よる受注業務のペーパーレス化を進めている。メーカー-卸間の受発注業務はファクスや電話がいまだに残る。データ入力に人手や時間がかかるなど非効率な状況であり、コスト負担や実際の配送業務にもマイナスの影響が出ている。〝物流クライシス〟と言われる時代にあって改善が急務になっている。

大塚倉庫では2018年に「会社の芯までデジタル化」という目標を掲げ、データを活用した物流の再構築に取り組んでいる。iPadの導入による物流現場のペーパーレス化に加え、自社と関係する企業とのデータ連携を実現した。さらに紙の納品伝票を廃止して電子化、パソコンやスマートフォンでも利用できるウェブ受注システム「受注net」を開発した。

「受注net」を全国の卸に導入へ

これまでは約3割が専用の発注用紙やファクス用紙による注文だったため、東京と徳島の受注センターで対応する必要があった。受注netは、クラウドサービス提供会社のシステムを自社仕様にカスタマイズ。昨年10月に導入を開始し、現在取引先卸1万店うち2000店(三菱食品や加藤産業などの大手卸)に導入、さらに全国の取引先卸に提案を進めている。

大塚倉庫側ではこれまで毎日2時間ほど入力作業に時間がかかっており、これがリードタイムの短縮を難しくしていた。受注netの導入により瞬時に受注作業が終わるため、卸からの受注締め時間を午前10時半から同11時半に延ばすことが可能になった。入力業務スタッフの削減とともに、卸へのサービス向上につながった。

一方、取引先卸は出荷や発注状況をモニタ画面で確認でき、事前出荷情報のやりとりで検品レス、トラックの物流センター待ち時間の短縮(待機レス)につながる。

大塚倉庫では卸への導入を図るとともに、同業の飲料・食品メーカーにも受注netの導入を働きかける。受注業務負担の軽減とともに、同じプラットフォームを使うことで企業の枠を超えた物流効率化をめざす。

「簡素で滑らかな物流」めざす

物流政策の指針を示し、関係省庁が連携して総合的な施策を行うための2021~25年度「総合物流施策大綱」が6月15日、閣議決定された。テーマは「『簡素で滑らかな物流』『担い手にやさしい物流』『強くてしなやかな物流』の実現に向けて」

このなかで食関連の物流標準化では、サプライチェーン全体の最適化を徹底するため、加工食品分野を代表事例として、伝票・受け渡しデータ・ダンボールなどの外装・パレットの4つの標準化を促すことが挙げられた。大塚倉庫の取り組みはこの流れに沿ったものだ。

リテールテックプラットフォーム編集部

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