人手不足下で普及が進む配膳ロボット

リテールテックプラットフォーム編集部

非接触・非対面のサービス推進の対策として、搬送ロボットが注目を集めています。ここでは、自動で物を運ぶロボットについて、具体的な導入事例や市場の展望を紹介します。

飲食店や図書館……非接触・非対面ニーズで導入広がる

自動で物を運ぶ「搬送ロボット」が、コロナ禍で打撃を受けた飲食店やホテルに活躍の場を広げている。人手の足りない現場の〝助っ人〟として登場し、「非接触・非対面」の働きも注目を集める。

「料理をおとりになったら、私の頭をなでてください」。松阪牛のロースや霜降りの牛タンが名物の名古屋市にある焼き肉店。注文した料理を客席まで運んでくるのは、ロボットだ。音声で促し、客が手をかざしたのを合図に厨房(ちゅうぼう)へ戻り、配膳を続ける。

この配膳ロボット「PEANUT(ピーナッツ)」は、店員が客席番号を入力すると、天井に貼られたシールを読み取り自走。人や障害物を認識すると、避けたり止まったりする。ラーメンチェーン「幸楽苑」もこのロボットを導入。本を運ぶ実証実験も、熊本市の図書館であった。

ワタミは接触率を8割削減

一方、ワタミが運営する焼肉店。特徴は料理を運ぶ専用の搬送レーンと、ロボットを組み合わせて配膳を自動化している点だ。料理を運ぶ速度は搬送レーンの方が速い。レーンの届かない個室などにロボットで料理を届ける。ルートは固定だが高速な専用レーンと、自動走行で柔軟に届けられる配膳ロボットを店舗の形に合わせて組み合わせた。これにより従業員との接触率を8割減少(居酒屋比較)させている。

物流ロボットの市場規模、2030年で1500億円規模に

ホテルグランヴィア大阪(大阪市北区)のレストラン「IGNITE(イグナイト)」も、料理を運ぶ配膳ロボットを導入した。ソフトバンクグループの関連会社が手がけたロボット「Servi(サービィ)」。対物感知センサーやGPS機能を備え、人や物を避けながら各テーブルまで最短ルートで料理や食器を運ぶ。総重量30㌔㌘まで搭載可能な三段式のトレーを備え、食器の片づけも効率よくできる。

一方で来店客を案内したり、運ばれた料理をテーブルに置いたりといった仕事はスタッフが担う。同ホテルでは「ロボットを活用し、その分、人にしかできない接客サービスを強化していきたい」と説明する。

サービィは2月に国内で発売した。3年間のレンタルで月額の利用料金は税別9万9800円。すでに飲食店経営の十数社から1000台を受注しており、3年以内には数百億円の売り上げを目指す。調査会社の矢野経済研究所によると、搬送ロボットなどの「物流ロボティクス」市場は2017年度の59億円が19年度は131億円に急増。30年度には1509億円まで伸びると予測する。(編集部)

リテールテックプラットフォーム編集部

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