ファミマ、伊藤忠と組み電子看板活用のメディア事業

リテールテックプラットフォーム編集部

ネット通販が拡大するなか、店舗のメディア化は新たな小売りの潮流になりつつあります。米ウォルマートも顧客のビッグデータを生かした広告事業を強化し、収益源を多角化しています。日本でもファミリーマートが伊藤忠商事と共同でメディア事業に乗り出します。

新会社はファミマ70%、伊藤忠30%出資

ファミリーマートと伊藤忠商事は10月、デジタルサイネージ(電子看板)を活用したメディア事業の新会社を設立する。1日1500万人が訪れる店舗網を消費者向けの情報を発信するメディアとして活用する。2022年春までに東京、大阪、愛知の3都府県を中心に3000店で導入。広告収入はフランチャイズチェーン(FC)加盟店に還元する。

新会社は資本金が9億9000万円で、ファミマが70%、伊藤忠が30%を出資する。伊藤忠、ファミマ、NTTドコモ、サイバーエージェントの4社が共同で出資するデジタル広告会社データ・ワンが広告を受注、新会社に出稿する。地域情報をクイズ形式で発信したり、特殊詐欺の防止を呼び掛けたりする内容を流す。食品メーカーなどの新商品の告知にも活用する。

店舗そのものをメディア化

新会社側が大型モニターを設置して広告収入を得る仕組みで、加盟店には決まった額の利用料を支払う。将来的にはスーパーなどの小売業者向けに、広告展開の支援業務にも乗り出す方針だ。

メディア事業は、国内で飽和状態になりつつあるコンビニ業界で、リアル店舗の価値を高め、加盟店の新たな収益源とする狙いもある。ファミマの細見研介社長はオンライン記者会見で、「ファミリーマートが自社のオウンドメディアを持つということ。メディアを通じて、これまでとは全く違う新しい仕掛けを可能にしていく」と語った。また、伊藤忠商事第8カンパニープレジデントの加藤修一執行役員は「店舗そのものをメディア化する。テレビ、ネットに続く第3のメディアを目指す」と説明した。

実験では販売が7割増の商品も

コンビニ業界2位のファミマは国内に約1万6000店を展開する。昨年9月から首都圏と沖縄の計約100店舗で実験を重ね、収益が見込めると判断した。モニターで紹介した飲料の販売が最大7割増えた例があったという。ファミマはセブン―イレブン・ジャパンやローソンと比べて「都市部での集客が多い」(細見社長)。メディアとしての優位性があるとみる期待している。

リテールテックプラットフォーム編集部

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